蔵王町の蔵王山水苑で、人生初の染物体験をしてきました!
先生に教えてもらいながら楽しく染物ができて、世界に1つしかない作品を作ることができるのでとってもお勧めの体験です!
では早速。
蔵王の別荘地「山水苑」
仙台市内から東北自動車道を利用して車で約50分。国道12号線沿いに染物体験の会場となる蔵王山水苑があります。
蔵王山水苑は蔵王町遠刈田温泉にある別荘分譲地で、敷地内に500軒以上の住宅が並んでいます。そのうちの150軒程は定住者が住んでいて、残りのほとんどが別荘として使われているそうで、苑内には天然温泉もあり、自然に囲まれた静かな場所です。
え!?ここ楽園??
山水苑からは、宮城、山形、福島の3県それぞれの中心部に車で1時間弱で行けるので、ここに住みながら仙台市や山形県や福島県に通勤する方も少なくないそうです。
山水苑入口のすぐ手前にある管理事務所に行くと、スタッフの方が車で会場まで誘導してくれました。
染物体験を行うのは、管理事務所から車で1分程の山水苑内の陶房「ひぐらしの館」
山形県から移築した地区100年以上の趣のある建物で、交流スペースなどとして利用されている公民館のような場所です。餅つきや花火大会などの苑内での行事にも使われているそうです。(餅つきも是非してみたい。。)
自然の中にある日本らしい雰囲気の建物で染物体験をできるというのは、ますます楽しみです。
染物って何で染めるの?
ひぐらしの館の中に入ると、先生が体験の準備をしてくれていました。
染物を教えてくれた大泉先生は、若いころから染物をやっていて先生歴は16年目。
とても明るい先生なのでお話をしていて楽しくて、ついついたくさん質問をしてしまいましたが、1つ1つ丁寧に教えてくれました。
染物には、植物、動物、鉱物などの種類があるそうです。
葉の種類によって染まる色が違い、草木染めではどうしても出せない色は動物系の染液を使用してその色を出します。特に、真っ赤な色は植物ではなかなか出せないので、赤を出せる紅花はとても貴重だそうです。
ひぐらしの館の中にも、染物に使用するために数種類の草花が干してありました。
写真の左の花が紅花で右の花が藍です。
染物の液を作るために草花を干すという行程があることを知らなかったので、実際に染物の体験をする前に干している状態を見ることで、染物にかかる手間暇を知ることができて良かったです。
大泉先生は、蔵王町のものを使って染物をするということにこだわっていて、今まで梨の枝、桃の葉、栗のいが、玉葱等、様々な蔵王の植物を利用して染物をしてきたそうで、どんな植物でもある程度染物に使用できるということに驚きました。
その中でも蔵王の果物を使用した染物は、町おこしのためにフルーツ染めと名付けて体験教室も開催しています。
今回体験した染物は、染物の種類の中でも草木染めというもので、使用した草木はマリーゴールド。
先生が自身で、蔵王町の各地区の花壇で1番大きなマリーゴールドを咲かせている場所から、花が終わる時期にもらってきたマリーゴールドだそうです。
体験が始まる前から、そのマリーゴールドを乾燥させたものを深い鍋でぐつぐつと煮出していました。
煮出したマリーゴールドをこすと、染物に使う染液(せんえき)の完成です。
先生が、出来立ての染液を一人分ずつ分けてくれます。
使用する染液はマリーゴールドのオレンジ色から想像していたものよりも濃い色で、焦げ茶色をしていました。
顔を近くに寄せるとマリーゴールドのいい匂いがしてきます。
違う材料でも染液の作り方と染色の工程は同じで、染色する時間は染液の種類によって変わるそうです。
初めての染物体験
今回の染物体験では、シルクの布を染めて自分だけのオリジナルのスカーフを作るということで、数種類の柄から好きな柄を1つ選びます。
花柄が好きなので、大きな椿がたくさん入っている柄の布を選びました。さらさらした手触りの軽い布です。
初めに、布に色が染み込みやすくなるようにお湯で洗って布についた糊を落とします。
次に染める作業に入りますが、染液は色が染まりやすいという80度台になっているので火傷しないように利き手にはゴム手袋と軍手を重ねてつけます。
染色用に用意されているエプロンと手袋をつけて、染物の準備完了です。
初めての染物なのでどんな風に染まっていくのか楽しみでワクワクします。
布の染色に挑戦
作業をしながら、先生が染める手順と詳しい方法やその理由をその都度わかりやすく教えてくれるので、初めてでも安心してできました。
まず、布を染液に端からゆっくりとつけて染液の中で動かし続けながら色を染めます。
染液の上に生地が浮いてきてしまうと色むらの原因になってしまうので、まんべんなく触わりながらなるべく休まずに手を動かし続けます。
途中で生地の状態を見てみると布に色が染みてきているのがわかり、嬉しくなります。
綺麗に染まるように心を込めながら丁寧に布を動かし続けること約15分。
しっかりと生地全体に色が染まりました。染液の濃さと比べると思ったよりも染まった色は薄めです。
この状態が完成の色かなと思いましたが、ここから更に手を加えて色が変化していくそうです。
最初は、布をずっと動かし続けるのは大変そうだと思いましたが、実際にやってみるとだんだんと染まっていく布に愛着がわいてきて、楽しくてあっと言う間の15分でした。
媒染すると更に変化が
続いては、媒染液を使用して布に色を定着させる媒染という作業で、この媒染の段階で色が変わってくるそうです。ここから更にどんな色に変わっていくのかとても楽しみです。
染色した布を透明な媒染液の中で静かに動かしていくのですが、この時、先生が素早く布の形を整えてくれて、その見事な手さばきに感激しました。
いや、これ本当に感激するんです!
布は媒染液の中で動かずに止まってしまうと色の濃淡が出てしまうそうなので、この作業も手を休めずに動かし続けます。だんだんと色が変わっていくのがわかります。
この作業で布に媒染液が浸透していくと、布の耐久性も上がるそうです。
布にしっかりと媒染液を染み込ませた後は水で洗い、全体に柔軟剤を付けます。
媒染前に比べるとオレンジの色がとても濃くなり鮮やかな色になりました。
全体に色むらもなく、先生にも「綺麗に染まっている」と褒めてもらえたのでとても嬉しかったです。
家で洗う時は、お洒落洗いの洗剤を使用して手で押し洗いをしてから柔軟剤つけると良いと教えてもらいました。
仕上げのアイロンがけ
シルクは湿っているうちにアイロンをかけた方がピンと伸びるそうなので、半乾きの状態で布全体にアイロンをかけてしわを伸ばします。
染めた直後の生地の扱い方がわからなかったので、おそるおそるアイロンをかけていたら「シルクは意外と丈夫だからあまり気にせずにかけて良いよ」と先生が声をかけてくれたので、安心してしっかりとかけました。
アイロンをかけたら、干して完全に乾かします。
乾かしている間に先生が紅茶を入れてくれて、先生が好きだというお菓子と一緒に出してくれました。
乾くのを待っている間、話をしながら楽しい時間を過ごさせてもらいました。
世界に一つだけのストール完成
ゆっくりと休んでいるうちに布が乾いていて、先生が包装紙と一緒に持ってきてくれました。
本物のお米で装飾してある紙袋がとても可愛くて、嬉しいです。
完成したストールをビニールの袋に入れてみると、まるで売り物のよう!!!
オレンジ色に椿の柄が浮き上がり素敵なストールが完成しました。自分で染めたストールは愛着がわき、使うのが楽しみになります。
初めて染物体験をしてみて、不器用な私でも楽しみながら素敵な作品を作ることができたので、染物は老若男女問わず楽しめる、思い出にも形にも残る良い体験だと思いました。
色の濃淡をつけた染め方もできるそうなので、また挑戦してみたいと思います!
心を込めてつくったオリジナルの作品を大切な人にプレゼントするのも良いですね。
施設詳細
『蔵王山水苑』
■住所 : 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉字小妻坂/八山
■電話 : 0120-3410-46
■アクセス : 自動車の場合
●仙台駅より 約48分
●東北自動車道 村田ICより 約15分
●東北自動車道 白石ICより 約15分
●山形自動車道 宮城川崎ICより 約20分
■体験料金 :2500円
■予約 :要予約